高浜敏之代表が物申す!シリーズ⑦

中長期的視点

経営者という経験によって、視線の飛距離が格段に伸びてきたように思います。

かつても中長期的視点を持つよう努めてはきたつもりですが、10年後、20年後のことを考えたときの「リアリティー」がかなり異なります。

事業承継というテーマが切実な問題にならざるを得ない、いわゆるオーナー経営者であるが故かもしれません。おそらくサラリーマン経営者であれば、自身の在任期間の成果への集中が深かったであろうことが想像できます。

現場の近くに身を置いていれば、それだけ視点は短期集中型になる傾向があります。15年間ケア現場で仕事をしてきましたが、そのときの自分と、この5年ほどマネジメントや経営を主たる仕事にしている自分を比較したときには、その違いは歴然としています。

どちらが正しい、どちらが間違っている、ということではなさそうです。

経営者が10年後、20年後、30年後の企業の運命と業界の行く末に想いを馳せることは責務であるし、現場ワーカーがクライアントの今日明日の生活に責任を取り、かつ自身の今月の給与額や賞与額に最大の関心があるのも至極当然です。

現場の精神を忘れたくないと思いつつも、現場的目線で経営判断をした結果、数々の失敗を招いてしまった事実も否定できません。

経営者の使命は、中長期的視点を持って、部分最適より全体最適を優先しつつ、経営理念を持続的に実現し、社会や顧客、従業員に対して、より良いインパクトを与え続けることに尽きるとは思っていますが、時に少数者の声に応えることができなかったり、良いと分かってはいても先送りせざるを得ない取り組みが生まれてしまうことも、残念ながら受け入れています。

現在直面する経営課題の解決に取り組みつつ、これから5年後を見据えた経営ビジョンを策定する、ささやかな両利きの経営の構想の中で、そんな風に思う今日この頃です。

株式会社土屋
代表取締役 高浜敏之

 

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