赤國幼年記⑫ / 古本聡
ヒーローか赤土の盛墓か 特に人間としての扱いに大いに問題があったと、今でも思われるのは2階の子供たちだった。憐れとしか言い表しようがない。私たち3階の住人たちは2階の子たちと敢えて交流を持とうとはしなかったのだが、その一 …
ヒーローか赤土の盛墓か 特に人間としての扱いに大いに問題があったと、今でも思われるのは2階の子供たちだった。憐れとしか言い表しようがない。私たち3階の住人たちは2階の子たちと敢えて交流を持とうとはしなかったのだが、その一 …
階によって決まっていた入所児の「用途」と「運命」 以前、施設の建物は、半地下階を含めると4階建てだった、と書いたが、正確に言えば3階と屋根裏との間に中4階が建物の一方の端に設けられていた。つまりは5階建て、ということにな …
“デビル” 日に3度出される食事。質的にも量的にも、旧ソ連の障害児施設でのあれが人に供する食事と呼べるものだったろうか。いや、家畜の餌とも呼べないだろうと、今私はそう思っている。家畜の餌ならば、質はともかく量はある程度確 …
車椅子で乗り物酔い!? 実際、あるんですよ、車椅子酔い。 自動車(バスからラリーカーまで)、列車、飛行機、ヘリコプター、大型客船、漁船(釣り舟)、5人乗りヨットと、色んな乗り物を経験してきた私ですが、乗り物酔いをしたこと …
数年前、ある動画でサンタクロースが、集まった小学校低学年くらいの子供たちにプレゼントを手渡しながら、褒めたり励ましたりしていた。たぶん、子供たちへのメッセージは、予め親御さんたちから聞いておいたものだったのだろう。 集ま …
私は先天性脳性麻痺による全身障害がある。そしてその障害は加齢とともに悪化していて、私の身体は、仕事漬けになってやれ営業だ、やれ顧客との打ち合わせだのと動き回っていた30代、40代の頃と比べると確実に動きが悪くなっている。 …
確か、40年くらい前に同じタイトルの映画があったのをふと思い出した。奥田英二と桃井かおりが主演だったかな。若い女性が2人の男たちにこねくり回されながらも自分の生きる道を見つけていく、というスジだったと思う。うろ覚えだが。 …
◎1日のルーティーン あの日から始まった私の施設暮らしの1日は、概ね次のようなスケジュールで進められた。 06:00 起床・検温・健康観察(体重測定、血液採取など)・排泄処理、浣腸・緊張緩和剤等注射・真空カッピング、赤外 …
ぼくも同じ、カタワやったんや・・・ 障害児収容施設での初めての朝、私を取り囲んできた収容児たちが皆、それぞれ違った瞳と頭髪の色をしていたことにも随分と驚愕したが、もう一つ私が、鳥肌が立つほど戦慄を覚えた光景があった。それ …